むし歯や歯肉炎などお口のトラブルはないのに、歯が痛むことはありませんか?
歯の痛みを感じるメカニズムはさまざまで、肩こりが原因になることもあります。

今回は、歯の痛みと肩こりの関係性についてお話しします。

【「筋膜」がつなぐ歯と首】
むし歯や歯に異常がないにもかかわらず、歯の痛みを感じる場合は、肩こりが原因の可能性があります。
一見無関係に思える歯と肩は、首を含め体全体を覆い、筋肉や内臓を支える「筋膜」でつながっています。そのため、肩こりで顎の筋肉に緊張が伝わって関節に負担が掛かることで、歯の痛みを引き起こす場合があるのです。

一方で、むし歯や歯周病の痛みが神経を通じて肩に伝わり、肩こりの原因となる場合もあります。

【肩こりが招くお口周りへの影響】
肩こりに悩む方の多くは、無意識のうちに姿勢が崩れていることが少なくありません。
姿勢が乱れた状態で頭を支え続けると、首や肩に余計な負担が掛かり、やがて噛み合わせにも悪影響を及ぼします。
噛み合わせが乱れると、一部の歯に通常以上の力が加わり、歯に痛みを感じる原因となることがあります。

【肩こりによる歯の痛みの予防法】
・適度な運動とリラックス
肩こりによる歯の痛みの大きな要因のひとつは、ストレスです。
日々のストレスを軽減させるために、環境を整えましょう。
適度な運動は血液のめぐりを促し、肩こりや歯の痛みの予防につながります。
また、意識的に休養し、十分に睡眠をとってリラックスすることも重要です。

・正しい姿勢の意識とストレッチ
首や肩こりからくる歯の痛みを予防するためには、正しい姿勢で血流をよくすることが重要です。
また、長時間同じ姿勢でいることも肩こりの大きな要因になります。
デスクワークや勉強中には、こまめに体をほぐしましょう。
正しい姿勢の意識とストレッチは、肩こりの改善だけでなく、お口周りの健康維持にもつながります。

・健康な歯を保つ
肩こりが原因で無意識に食いしばりや歯ぎしりをしてしまうと、顎や歯に大きな負担が掛かります。
そのため、意識的なケアが大切です。
まず、就寝前にリラックスする習慣を取り入れましょう。
深呼吸をしたり、穏やかな音楽を聴いたりすることで、緊張がほぐれ、夜間の歯ぎしりを抑える効果が期待できます。
さらに、ナイトガード(マウスピース)を装着することで、歯への負担を軽減することも可能です。
また、日中も顎に余計な力が入らないよう意識し、自然な噛み合わせを保つことを心掛けると、より効果的です。

【歯科検診でお口のトラブルを未然に防ごう】
肩こりがお口に悪影響を与えるように、体の不調が歯の痛みを引き起こすこともあります。
定期的な歯科医院での検診は、むし歯の早期発見はもちろん、噛み合わせの確認、原因不明の歯の痛みに関する情報取得の観点からも重要です。
また、むし歯で歯の痛みを感じる頃には、細菌感染が進んでいる場合もあります。
定期検診でクリーニングや歯の磨き方の指導などを受け、お口のトラブルを予防しましょう。

【まとめ】
今回は、肩こりと歯の痛みの関係性についてお話ししました。
筋膜でつながっている歯・肩・首は互いに作用し合うため、原因がわからない歯の痛みについては、まず歯科医院の受診をおすすめします。
当クリニックでは、歯ぎしりや食いしばり、顎関節症などの専門的な治療を行なっていますので、ぜひ当院へお越しください。